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最終更新: 2026-07-20

失読失書

説明

読字と書字の両方に障害を呈する症候。文字の視覚的認知や書字の運動プログラミングの障害により、読解と書字表出の両方に問題が生じる。音読、書き取り、自発書字のいずれも障害される。

日本語では、漢字(表語文字)と仮名(表音文字)で障害の程度が食い違うことがあり、
どちらがどの程度侵されているかによって責任病巣が異なる。
下の「漢字と仮名の乖離」を参照。

漢字と仮名の乖離

日本語の失読・失書では、漢字と仮名の解離が中心的な主題であり続けてきた。
桜井の総説は、病巣—症状対応の解析と機能画像の進展にもとづき、
次のような対応を整理している [1]。

  • 角回病変による失読失書 — 生じるのは漢字の失書である。
    角回病変に伴う仮名の失読は、中後頭回の損傷によるものとされる。
  • 後下側頭皮質(紡錘状回中部・下側頭回、いわゆる視覚性語形領域)病変
    漢字の失読失書を生じる。

したがって、失読失書と一括りにせず、
漢字と仮名それぞれについて読みと書きを評価しないと、病巣の推定は成り立たない。

病巣

  • 角回(漢字の失書)
  • 中後頭回(角回病変に伴う仮名の失読)
  • 後下側頭皮質=紡錘状回中部・下側頭回(漢字の失読失書)
  • 縁上回
  • 側頭葉

検査

  1. WAB失語症検査

    • 読解課題
    • 書字課題
    • 文字認知課題
  2. SLTA(標準失語症検査)

    • 読字検査
    • 書字検査
    • 漢字・仮名の処理検査
  3. 読字・書字検査

    • 単語の読み書き
    • 文章の読解
    • 自発書字
  4. 漢字と仮名を分けた評価

    • 漢字単語・仮名単語の音読
    • 漢字単語・仮名単語の書字(自発書字・書き取り)
    • 読みと書きのどちらがより侵されているかの確認

文献

  1. Sakurai Y. Kanji (Morphogram) and Kana (Phonogram) Problem in Japanese Alexia and Agraphia.
    Front Neurol Neurosci 2019;44:53-63.(総説・歴史的論文。PMID 31220841 /
    DOI